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【必須】初めて従業員を雇用した際に会社が行う社会保険手続き9選とは?

社会保険

初めて従業員を雇用した時に、会社がしなければならない社会保険手続きについて解説します。

保険には大きく社会保険、労災保険、雇用保険という3つの保険がありますが、人を雇用する際には労災保険と雇用保険の手続きが必要になります。その他にも残業をする時には36協定が必要ですし、人を雇用する時には雇用契約書の作成が必要になります。

めて従業員を雇用した際に会社が行わなければならない手続きを社労士が解説します。

この記事を監修した人

生島社労士事務所代表

生島 亮

https://sharoushi-cloud.com/

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初めて従業員を雇用するときに「会社が行う」6つの手続き

  • ①社会保険新規適用届(会社)、②社会保険加入通知書(役員or従業員)、③被扶養者異動届(家族)
  • ④適用事業所報告
  • ⑤労働保険新規適用届(労災保険)
  • ⑥概算保険料の申告(労働保険料の前払い)
  • ⑦雇用保険の加入
  • ⑧36協定(従業員に残業させる可能性がある場合)
  • ⑨雇用契約書の作成

初めて従業員を雇用した時に「会社が行う手続き」を順を追ってご説明します。

①会社の社会保険新規適用届(会社が行う手続き)及び②役員、従業員の社会保険加入、③被扶養者異動届

会社を設立し、役員或いは従業員に報酬が発生している場合には「社会保険新規適用届」を5日以内に申請しなければなりません。これは役員や従業員が社会保険に加入する前にまず、会社が社会保険に加入する必要があります。この申請が遅れると、後で年金事務所の調査が入った時に遡及して社会保険料を支払う必要が生じるので注意が必要です。

「社会保険新規適用届」が完了すれば、次に役員や従業員を社会保険に加入させる手続きである「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出します。電子申請ですと、審査機関は凡そ2週間くらいで保険証は登記上の会社に届きます。(個人の家には届きません)

 さらに、家族に保険証を渡したい場合(扶養に入れたい場合)には、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。また、満20歳以上満60歳未満の被扶養配偶者がいる場合には、その者を国民年金の第3号被保険者とすることができますので「国民年金第3号被保険者届」も併せて提出します。

例えば「うちは小さい個人事業だから社会保険には入らなくてもいいんじゃないか?」とお考えの事業主の方もいらっしゃいますが、社会保険の加入は任意ではなく、強制加入です。

法人は当然、強制加入

株式会社/有限会社/合同会社などの法人の事業所は、全て社会保険の適用事業所となりますので、社会保険に加入する必要があります。

「労働者がいないから加入していない」という誤解もありますが、いわゆる「一人社長」と言われる労働者を一人も雇っていない法人でも、加入する必要があります。

個人の事業所でも、業種と労働者数で社会保険の適用事業所になります

また、個人の事業所についても、労働者が常時5人以上いる場合は、農林漁業、サービス業などの場合を除いて強制加入の対象です。

サービス業の具体的な業種としては、飲食店、接客業、理・美容業、旅館業等 サービス業、法律・会計事務所等の自由業等は適用対象外となるので、加入は任意となります。個人事業主の場合は任意加入をすることで社会保険に加入できます。

※令和4年10月より新たに以下の士業が適用対象となります。

弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、弁理士

社会保険加入対象者の要件とは?

・常時雇用されている労働者

・週の所定労働時間または月の所定労働時間が常時使用されている労働者の3/4以上の者

となります。

よくある誤解として、「正社員だけ加入させれば良い」とお考えの事業主の方もいらっしゃいますが、雇用区分ではなく、その方の労働時間により加入の必要が生じます。例えば、正社員が週40時間勤務の事業所で、パート社員の方が週30時間勤務でしたらこのパートの方は社会保険の加入が必要になります。

また、雇用期間についても「有期契約は必要ない」とお考えの事業主の方もいらっしゃいますが、これもよくある誤解で、「2ヶ月以内の期間を定めて雇用される場合」は加入不要ですが、その後契約を延長した場合はその日から加入が必要になります。また2ヶ月間は試用期間でその後は正社員登用するなど、元々長期雇用が見込まれている場合は、当初から加入する必要があります。

近年の法改正により、また今後施行が決まっているものでも、社会保険加入対象者の条件は引き下がってきておりますので、パートやアルバイト、短時間勤務の方でも事業所の労働者数により対象となるケースがあるので注意が必要になります。

社会保険の条件に関しては以下の記事をご参照ください。

社会保険 【スポット申請】社会保険の加入条件や加入手続きの流れと加入方法の全まとめ

適用事業所報告(会社が行う手続き)

人を雇用することになったら報告書(「この事業場は労働基準法が適用される事業場である」ということを報告するため)を作成し、遅滞なく所轄労働基準監督署へ提出します。複数店舗を開業することとなった場合には、それぞれの事業場ごとに報告が必要になります。労働法は企業単位ではなく事業場(一つの場所での組織的な作業のまとまり)ごとに手続きなどが必要になるので、一般的にはあまり馴染みがない考え方かもしれませんが、注意が必要です。

適用事業所報告とは?

労働保険新規適用届(会社が行う手続き)

労働保険新規適用届は、人を雇用した日の翌日から起算して10日以内に所轄の労働基準監督署へ提出します。そうすることで、労働保険番号が付与されますので、以後その番号をもとに労災加入や雇用保険加入等さまざまな労働保険に関する手続きを行うことになります。

また、事業主が手続きをしたタイミングで労働保険関係が成立するのではなく、手続きをしていなくても労働者を雇用したその日に、法律上当然に労働保険関係は成立しています。もし、労働者を雇用したその日に、業務時間中に怪我などがあれば、「労働災害が発生した」ことになります。万が一手続きを怠ってしまうと、保険料の遡及請求だけでなく、労災保険給付に関する事業主負担を求められるなどのペナルティもあります。

誰が労災保険に入る義務があるのか?

労災は1分でも働く従業員がいれば、加入必要ですので従業員全員が加入します。

誰が雇用保険に入る義務があるのか?

週20時間以上働く従業員は、雇用保険に加入する義務があります。

尚、社労士クラウドでは雇用保険設置届も同時に行います。

労働保険の概算保険料申告書(会社が行う手続き

労働保険新規適用届を提出後、50日以内(実務上では労働保険新規適用届と同時に行いますに、その年度(その年の4月~翌年の3月まで)の労働保険料(労災及び雇用保険の加入者の保険料)を概算保険料として労働基準監督署へ申告します。

労働保険料について

労働保険料は、労災保険料(事業主が100%負担)と雇用保険料(労使それぞれで負担)とがあり、それぞれ行う事業の種類により保険料率が違います。

労災保険料率はかなり細かく分かれており、例えば建設の事業だけでも7種類に分かれています。労災の発生率や危険度は、行う事業の内容により違うからです。

一方で雇用保険料率は大まかに3つの種類に分かれてます。

雇用保険被保険者資格取得届(従業員の雇用保険加入)

雇用した日の翌月10日までに所轄のハローワークへ提出します。

雇用保険加入対象者の要件とは?

アルバイト、正社員などの雇用区分ではなく、その雇用する方が、

・31日以上雇用されることが見込まれること

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること

となります。原則として役員は加入できません。

⑧36協定(会社が行う手続き)

残業や休日出勤をした際には、割増賃金を支払うことはご存じの方も多いかと思いますが、労働時間は労働基準法によって上限が定められていています(法定労働時間と呼ぶ)。

法定労働時間を超えて労働させる場合には、労使による協定(時間外・休日労働に関する協定書、通称36協定)を締結して、労働基準監督署に届出をしなければなりません。

労働基準法の原則

・労働時間の限度は1日8時間、週40時間

・毎週少なくとも1回の休日

この届出手続きをせずに、残業や休日出勤をさせてしまうと、労働基準法違反(罰金)となりますので、少しでも可能性があるのであれば、締結及び届出た必須です。違反した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があるため、企業は従業員に対してこの労働時間を超える労働を科さないように注意しなくてはいけません。

36協定に関しては以下の記事をご参照ください。

社会保険 【社労士監修】36協定とは?割増賃金や残業に関する知識を分かりやすく解説

いかがでしたでしょうか?

人を雇用するときに必要となることについてご説明しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

労働に関する手続きは、事業場ごと初回1回しか行わない手続きが多くありますが、労働者を雇用した時点で事業主の義務が生じていることから、必ず行わなければならないものがほとんどです。

ですが、例えば労働時間管理の考え方を知らずにいることで、実は法定労働時間を超えていて、残業代の未払いが生じていることもあります。

労働法違反となれば、もちろん罰則や罰金などもありますが、コンプライアンス遵守意識の高まりから、労働法違反をした事業主として、取引先からの契約解除、労働者の離職、企業名公表など、事業経営そのものが危ぶまれるような事態に陥ることも有り得ます。

労働保険は、きちんと加入しておくことで、万が一、障害が残るような業務上の事故や死亡事故につながるような労災が生じた場合に、労災保険から障害補償や遺族補償を受けることもできます。

また、雇用保険においてはコロナ禍でも話題になった「雇用調整金」等の受給で雇用継続することができ、また、万が一労働者を整理解雇するような経営悪化に陥ったとしても、労働者がハローワークで手続きをすることで、失業手当が受けられます。

事業主がルールを守るからこそ、事業主と労働者がルールに守られる仕組みが労働保険にはあることを、ご理解いただけますと幸いです。

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