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会社設立後は社会保険の加入が義務!手続きの流れや必要書類を全解説

会社設立後は、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続きを速やかに進めることが求められます。また、従業員を雇用する場合は、労災保険や雇用保険の手続きも同時に進める必要があります。

しかし、設立直後は多忙を極めるため、社会保険の届出を忘れてしまうケースも少なくありません。手続きが遅れると、罰則やペナルティが生じる可能性があるため注意が必要です。

特に初めて会社を設立する方にとって、社会保険の加入義務や手続きの詳細、費用負担は負担に感じやすいポイントです。一方で、適切に手続きを進めないと、法律違反となるリスクもあります。

この記事では、会社設立時に必要な社会保険の加入手続きや必要書類、そして未加入のまま放置した場合の影響について詳しく解説します。この記事を参考に、会社設立直後の忙しい時期でも、効率的かつ確実に手続きを進めていきましょう。ぜひ最後までお読みください。

この記事を監修した人

生島社労士事務所代表

生島 亮

いくしま りょう

https://sharoushi-cloud.com/

社会保険手続きの自動販売機|全国のあらゆる社会保険手続きと労務相談を「顧問料なしのスポット」で代行するWebサービス【社労士クラウド】の運営者|懇切丁寧 ・当日申請・フリー価格・丸投げOK| 1,800社以上の事業主様や顧問先の社保周りを解決されたい士業の先生にご利用頂いており、顧問契約も可能です|リピーター率8割以上

会社設立時の社会保険の加入は義務

会社を設立すると、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が法律で義務付けられています。社会保険は、従業員の健康や老後の生活を支える重要な制度です。

法人化した場合、従業員の有無に関わらず、社会保険の手続きが必要です。一人社長であっても例外ではなく、法人設立後は速やかに手続きを行う必要があります。

一人社長でも社会保険に加入する義務はある? 一人社長でも社会保険加入の義務がある?法人化した時の手続きを解説

社会保険に未加入のままだと、年金事務所から加入要請や警告文書が届くことがあります。この段階で加入すれば問題は解決しますが、放置すると罰則や過去2年分の保険料(延滞金を含む)の徴収といったリスクが発生します。

未加入は会社にとって大きなリスクとなるため、適切に手続きを行うことが重要です。

以下では、法人化した場合に加入が必要となる社会保険の種類について詳しく説明します。

加入が必要な社会保険の種類

社会保険とは、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険など、公的な保険の総称です。

会社設立時には、まず「健康保険」と「厚生年金」の加入手続きが必要です。これらは法人であれば必ず加入しなければなりません。

また、従業員を1人でも雇用する場合には、「労災保険」と「雇用保険」の加入手続きも必要になってきます。

下の表に、各社会保険の種類や対象条件をまとめています。

保険の種類対象条件加入手続き期限
健康保険すべての法人設立後5日以内
厚生年金すべての法人設立後5日以内
労災保険従業員が1人以上いる場合設立後10日以内
雇用保険・従業員が1人以上
・労働時間20時間以上/週
・31日以上の雇用見込み
(上記すべてを満たす場合)
設立後10日以内

健康保険と厚生年金は、従業員の健康や老後に備えるための基本的な社会保険です。労災保険は業務中の事故やケガを保障し、雇用保険は失業時の給付を提供します。

これらの社会保険は、従業員の生活を支え、会社としての義務を果たすために欠かせないものです。

例外的に社会保険に加入できない場合

会社設立した場合、原則として社会保険への加入義務ですが、特定の条件を満たす場合には、社会保険への加入を断れるケースがあります。

例えば、以下の2つの場合は社会保険への加入は必要ありません。

・従業員がいない1人社長で役員報酬がゼロの場合

・従業員がいない1人社長で役員報酬が少なく保険料を下回る場合

それぞれ詳しく解説します。

代表社員の収入がゼロ(なし)

代表社員が役員報酬を全く受け取っていない場合、社会保険の加入義務はありません。これは、社会保険の加入要件である「報酬の支払い」がないためです。

特に設立初期で、会社の利益が安定していない場合など、役員報酬をゼロに設定することで社会保険料の負担を回避することが可能です。

ただし、社会保険に未加入であることで受けられない保障もあるため、リスクとメリットを慎重に検討する必要があります。

役員報酬が少なく保険料を下回る

役員報酬が非常に少額で、社会保険料の最低基準(現在は58,000円)を下回る場合、社会保険への加入義務が免除される可能性があります。

社会保険に加入しない場合、保険料の負担を軽減できる反面、将来的な年金額や健康保険の保障内容に影響が出ることにも注意が必要です。

また、役員報酬の設定は、税務面でのリスクを避けるためにも、会社の財政状況や経営計画に基づいて慎重に行うことが重要です。

会社役員の社会保険加入は義務?条件は?役員報酬ゼロ場合も解説

保障を受けられないリスクを伴うだけでなく、企業の信頼性にも影響を及ぼします。未加入のままでいることで取引先や金融機関からの信用を失うリスクもあるため、社会保険への早期加入が不可欠です。

会社設立後、社会保険の加入手続きに必要な届出一覧

会社設立後、社会保険と労働保険の加入手続きに必要な届出をまとめています。

届出書対象提出期限
健康保険・厚生年金 社会保険 新規適用届全員会社設立後5日以内
健康保険・厚生年金社会保険 被保険者資格取得届全員事実発生の5日以(従業員の雇用から5日以内)
健康保険・厚生年金被扶養者異動届家族を被扶養者にする場合事実発生の5日以内
・労働保険 保険関係成立届 
・労働保険概算保険料申告書
従業員が1人以上成立した日の翌日から起算して10日以内
・雇用保険適用事務所設置届
・従業員が1人以上
・労働時間20時間以上/週
・31日以上の雇用見込み
(上記すべてを満たす場合)
成立した日の翌日から起算して10日以内
・雇用保険被保険者資格取得届・従業員が1人以上
・労働時間20時間以上/週
・31日以上の雇用見込み
(上記すべてを満たす場合)
資格取得日(雇用日)から10日以内

以下で社会保険(健康保険・厚生年金)と労働保険(労災保険・雇用保険)の加入手続きについて詳しく解説しています。

生島社会保険労務士
生島社会保険労務士

会社員の方が起業して法人化した場合は合わせて二以上事業所勤務届の提出も必要になります。

二以上事業所勤務届とは、複数の事業所で勤務する労働者が社会保険に加入する際に提出する届出です。

お困りの場合は、公式LINEにて社会保険に関するご質問を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

健康保険・厚生年金保険の加入手続きと必要書類

会社設立後、健康保険と厚生年金の加入手続きは、会社が社会保険の適用事業所として認められた日から5日以内に行う必要があります。

ここでは、健康保険・厚生年金に加入する際に必要な届出と書類について詳しく説明します。

会社設立後5日以内に提出が必要な主な社会保険の届出・書類は次の3つです。

  1. 社会保険(健康保険・厚生年金保険)新規適用届
  2. 社会保険 被保険者資格取得届
  3. 被扶養者異動届(扶養家族がいる場合)

各届出の書類の内容と主な添付書類は以下のとおりです。

届出書書類の内容添付書類提出先
社会保険 新規適用届法人が社会保険に加入するために必要な書類・法人登記簿謄本
・法人番号指定通知書
年金事務所
社会保険 被保険者資格取得届法人の代表や従業員が個別に社会保険へ加入する際に必要な書類国民年金第3号被保険者関係届(事業所が協会けんぽに加入している場合)年金事務所
被扶養者異動届家族を扶養に入れる際に必要な書類被扶養者の認定に必要な書類年金事務所

以下で、それぞれの手続きについて詳しく説明します。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

社会保険(健康保険・厚生年金保険)新規適用届は、法人が社会保険に加入するために必須の手続きです。設立後5日以内に、管轄の年金事務所または日本年金機構に提出する必要があります。

提出に必要な主な添付書類は以下の通りです。

■届提出に必要な添付書類
法人(商業)登記簿謄本
法人設立を証明するための書類で、発行から90日以内の原本。
法人番号指定通知書のコピー

さらに、会社の登記所在地と事業所所在地が異なる場合は、以下の補足書類も必要です。

賃貸借契約書のコピー:事業所所在地を証明する書類。
公共料金の領収書:事業所所在地の実在を確認するための書類。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、法人の代表者や従業員が社会保険に加入する際に提出する書類です。事実が発生してから5日以内に、管轄の年金事務所に提出する必要があります。

必要な情報は以下の通りです。

  • 事業所の整理記号・番号
  • 被保険者となる個人の基本情報(氏名、生年月日、性別、住所、マイナンバーなど)
  • 入社日
  • 給与情報(報酬月額など)

未提出の場合、保険料の未払いが発生し、後日まとめて請求されるリスクがあるため、迅速な対応が重要です。

また、以下の場合には追加の添付書類が必要です。

  • 被扶養者異動届:従業員に扶養家族がいる場合
  • 国民年金第3号被保険者関係届:事業所が協会けんぽに加入している場合

健康保険被扶養者異動届(扶養家族がいる場合)

従業員が扶養家族を持つ場合、健康保険被扶養者異動届の提出が必要です。この届出は、従業員の扶養家族が健康保険の適用を受けるために必要な手続きです。

例えば、家族の加入や脱退があった場合には、速やかにこの異動届を提出する必要があります。これにより、扶養家族も健康保険による医療保障を受けることができます。

提出に必要な主な添付書類は以下の通りです。

  • 戸籍謄本または住民票(発行から90日以内):扶養家族の続柄を証明するための書類。
  • 退職証明書または雇用保険被保険者離職票のコピー(退職による扶養認定の場合)
  • 雇用保険受給資格者証のコピー(失業給付の受給中または受給終了後の場合)
  • 年金額改定通知書のコピー(年金受給中の場合)
  • 確定申告書のコピー(自営業や不動産収入がある場合)
  • 課税(非課税)証明書(その他の収入がある場合)

適切に手続きを行うことで、扶養家族が医療保障を受けられなくなるリスクを防ぎ、必要な給付を受けられるようにすることができます。

労災保険の手続きと必要書類

会社設立後、従業員を1人以上雇用する場合、労働保険(労災保険・雇用保険)に加入する手続きが必要です。

労災保険の手続きは、労働者を保護するために非常に重要であり、労働者が業務中や通勤中にケガや病気を負った場合に補償を提供するものです。事業者には、この保険への加入義務があります。

労災保険の加入手続きに必要な届出・書類は次の2つです。

  • 保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書

各届出の書類の内容と主な添付書類は以下のとおりです。

届出書書類の内容添付書類提出先
保険関係成立届労災保険の成立を申告するための書類・会社の登記簿謄本原本
・労働者名簿
・賃金台帳
・出勤簿
・事業所の住所が分かる書類(公共料金請求書等)
・労働条件通知書(パート、アルバイトの場合)
・就業規則届(従業員が10人以上の場合)
労働基準監督署
労働保険概算保険料申告書労災保険の概算保険料を申告する書類賃金総額の証明書類労働基準監督署

以下では、労災保険の手続きに必要な届出・書類とその概要について詳しく解説します。

保険関係成立届

労災保険の手続きの第一歩として「保険関係成立届」を提出する必要があります。この保険関係成立届は、保険適用対象となる従業員を雇用し、労災保険が適用される事業所として、法律上の保険関係が成立したことを届け出るための書類です。

保険関係が成立した日(従業員を雇用した翌日)から10日以内に、事業所所在地を管轄する労働基準監督署に提出する義務があります。

提出に必要な主な情報と添付書類は以下の通りです。

必要な情報:

  • 事業所の名称および所在地
  • 事業主の氏名と連絡先
  • 労働者の人数および業種

必要な添付書類:

  • 会社の登記簿謄本原本
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 事業所の住所が分かる書類(公共料金請求書等)
  • 労働条件通知書(パート、アルバイトの場合)
  • 就業規則届(従業員が10人以上の場合)

保険関係成立届を提出することで、労働者が労災保険の対象となり、万が一の事故の際に適切な補償を受けることが可能になります。また、保険関係成立届の提出後、労働保険番号が発行されるため、次の「労働保険概算保険料申告書」の手続きで必要になります。

雇用保険に加入する場合は、雇用保険の届出も提出期限が10日となっており、労働保険番号が必要です。

そのため、保険関係成立届はできるだけ早く提出することが求められます。迅速に手続きを行い、労働者の安全と安心を確保しましょう。

労働保険概算保険料申告書

「労働保険概算保険料申告書」は、労働保険(労災保険および雇用保険)の保険料を概算で申告するための書類です。保険関係が成立した日から50日以内に、労働基準監督署または公共職業安定所に対して提出し、初年度の労働保険の概算保険料を納付する必要があります。

保険関係成立届の提出後、労働保険番号が発行されたら、速やかに労働保険概算保険料申告書に記載して提出しましょう。これにより労災保険と雇用保険の適用を受けることができます。

雇用保険の手続きと必要書類

会社設立後、従業員を1人以上雇用する場合、雇用保険に加入する手続きが必要です。雇用保険は、従業員が失業や育児・介護などで働けなくなったときに経済的な支援を提供する重要な公的制度であり、事業者には加入手続きの義務があります。

雇用保険の加入手続きに必要な届出・書類は次の2つです。

  • 雇用保険適用事務所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届

各届出の書類の内容と提出先・提出期限は以下のとおりです。

届出書書類の内容添付書類提出先
雇用保険適用事務所設置届雇用保険の適用を受けるための事務所の設置を届け出る書類・会社の登記事項証明書
・事業所の実在を確認できる書類
・事業実態を確認できる書類
ハローワーク
雇用保険被保険者資格取得届雇用保険の被保険者資格を取得したことを届け出る書類・労働条件を確認できる書類
・雇い入れ日の確認できる書類
ハローワーク

下の記事で初めて従業員を雇用する際に、会社が行う社会保険の手続きをまとめて解説しています。

社会保険 【必須】初めて従業員を雇用した際に会社が行う社会保険手続き9選とは?

以下では、雇用保険の手続きに必要な届出・書類とその概要について詳しく解説します。

雇用保険適用事務所設置届

す。この書類は、会社が雇用保険の適用事業所として認定を受けるための届出書であり、従業員を1人でも雇用する場合、この手続きが義務となります。

雇用保険適用事務所設置届は、会社設立日または従業員を雇用した日の翌日から10日以内に、事業所所在地を管轄するハローワークに提出しなければなりません。これにより、事業所が雇用保険の適用対象となり、従業員が失業時に適切な補償を受けられるようになります。

雇用保険適用事務所設置届を提出する際は、以下の書類が必要です。

添付書類

  • 会社の登記事項証明書
  • 事業所の実在を確認できる書類(以下のいずれか)
    • 不動産登記事項証明書
    • 公共料金請求書
    • 賃貸契約書
  • 事業実態を確認できる書類(以下のいずれか)
    • 営業許可証
    • 営業登録証
    • 開設許可証
    • 開業証明書
    • 代理店契約書
    • 請負契約書
    • 原料買付・出荷・売上伝票、納品・請求・領収書

迅速な手続きを行うことで、従業員の雇用を守り、安心して働ける環境を整えることができます。

雇用保険被保険者資格取得届

「雇用保険被保険者資格取得届」は、従業員が雇用保険の被保険者となるために必要な書類です。従業員を新たに雇用した場合、その雇用開始日から10日以内にハローワークに提出する義務があります。

この届出を提出することで、従業員が失業時に雇用保険の給付を受ける資格を得ることができます。また、この手続きは労働者一人ひとりについて行う必要があり、漏れなく行うことが重要です。

添付書類

◯ 労働条件を確認できる書類

  • 賃金台帳
  • 労働者名簿
  • 出勤簿

◯ 雇い入れ日の確認できる書類

  • 労働条件通知書または雇用契約書(労働条件の確認用)

契約社員の正社員化を支援する国の助成金制度もあります。

【令和7年版】キャリアアップ助成金の正社員化コースとは?条件や申請方法、支給金額を社労士がわかりやすく解説

会社設立時の社会保険に加入する際の注意点

会社設立後に社会保険へ加入する際には、いくつかの重要な注意点があります。以下に、手続きをスムーズに進めるために押さえておきたいポイントを解説します。

社会保険の加入手続きは法人登記後5日以内にする

会社設立後、法人として正式に活動を開始するには、速やかに社会保険の加入手続きを行う必要があります。法人登記後5日以内に手続きを完了させることが重要ですが、万が一5日を過ぎても、適切に対処すれば遡って加入することが可能です。ただし、社会保険に未加入の状態で事業を続けると罰則のリスクがあるため、迅速な手続きを心がけましょう。

会社設立後、社会保険の加入が5日過ぎてしまった場合の対処法や罰則については下記の記事で詳しく解説しています。

会社設立後に社会保険の加入手続きが5日過ぎたら?間に合わない場合の対処法と必要書類を解説

他の法人で社会保険に加入している場合は、二以上事業所勤務届を提出する

他の法人で既に社会保険に加入している場合、会社設立後に「二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。この二以上事業所勤務届は、複数の事業所で社会保険に加入する場合に必要な手続きで、全ての勤務先での労働条件が正確に反映されることを目的としています。この届出により、適切な社会保険の適用が確保され、労働者の権利が守られます。

二以上事業所勤務届出については下記の記事で詳しく解説しています。

二以上事業所勤務届を出さないとどうなる?出し忘れた時の対策や書き方を解説

副業で起業する場合、本業の会社にバレる可能性がある

副業として会社を設立する場合、本業の会社に副業がバレるリスクがあります。社会保険の手続きで「二以上事業所勤務届」を提出する際、本業の会社にも情報が伝わるため、副業が発覚することがあるからです。

これを避けるためには、事前に本業の会社の就業規則を確認し、副業が許可されているかどうかを確認しておくことが大切です。また、副業が許可されていない場合には、本業の会社と相談して対応策を講じることも検討しましょう。

会社設立時の社会保険に関するよくある質問

会社設立時には、社会保険の加入に関するさまざまな疑問が生まれます。ここでは、よく寄せられる質問に対してわかりやすく解説していきます。

社会保険に加入しないとどうなるの?

社会保険に未加入のまま事業を続けると、経営者には重大なリスクと罰則があります。まず、年金事務所や労働基準監督署による調査で加入義務が確認された場合、過去2年分の未払い保険料が延滞金とともに徴収され、企業に大きな財政負担がかかります。

また、健康保険法や厚生年金保険法に基づき、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることがあります。労災保険や雇用保険の未加入にも罰則があり、悪質なケースでは厳しい処罰が行われます。

さらに、社会保険未加入の会社は助成金が受けられず、求人の制限や信用低下により資金調達が難しくなるなど、経営に悪影響を及ぼします。そのため、早期に社会保険に加入し、リスクを回避することが重要です。

社会保険の加入手続き後は、いつから支払いが始まる?

社会保険の加入手続きが完了した翌月末が、保険料の支払い期限となります。

例えば4月中に手続きを完了した場合、5月分の社会保険料は6月末に納付する必要があります。給与からの控除は、原則として翌月に行われるため、適切なキャッシュフロー管理が重要です。支払いが遅れると、延滞金が発生するリスクがあるため、スケジュールを把握して確実に対応しましょう。

株式会社と合同会社で社会保険の手続きに違いはある?

株式会社と合同会社のどちらを選んだ場合でも、社会保険の手続きそのものに大きな違いはありません。両者とも法人として扱われるため、設立後は速やかに社会保険の新規適用届を提出し、従業員がいる場合には資格取得届も提出する必要があります。

ただし、役員報酬の設定や会社の規模によって、社会保険料の負担が変わる点には注意が必要です。経営者として、どちらの形態が自社にとって有利かを検討する際、社会保険料の負担も考慮しましょう。

合同会社設立後の社会保険の加入手続きに関しては、下記の記事で詳しくまとめています。

合同会社設立後の社会保険加入は義務?条件や手続き方法を解説!

まとめ:会社設立後は専門家に依頼して社会保険の手続きを迅速かつ確実に進める

会社設立後は、社会保険(健康保険と厚生年金保険)への加入が必要です。法人登記後すぐに手続きを行う必要があり、適切に行わないと罰則や追加費用のリスクがあります。また、従業員を雇用した場合には、労働保険(雇用保険と労災保険)への加入も必要です。

社会保険と労働保険の加入手続きは複雑で期限も決まっているため、手続きを迅速に進めるには社労士などの専門家に依頼することが効果的です。社労士に依頼することで、最新の法規制に基づいた正確な手続きを行い、会社全体のコンプライアンス強化やリスク管理が可能になります。

会社設立前に社労士に相談しておけば、手続きをもれなく期限内に行うことができ、5日を過ぎた場合でも適切な対応をサポートしてくれるため安心です。手続きを早めに整え、期限内に対応することが会社の健全な運営と従業員の安心につながります。

社会保険に加入することで、会社の社会的信用が向上し、従業員の雇用維持が容易になるというメリットもあります。社会保険に加入していることで、各種助成金を受けることも可能となり、経営の安定にも寄与します。

社員の福利厚生を充実させ、企業の信頼性を高めるためにも、社会保険の手続きを正確に行うことは重要です。専門家のサポートを受けることで、手続きのミスや遅延を防ぎ、企業の成長に有利な環境を整えることができます。合同会社設立後の社会保険手続きは複雑なため、専門家のサポートを受けることを強くお勧めします。

生島社会保険労務士
生島社会保険労務士

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