【令和8年度】算定基礎届の提出期間・期限:原則、2026年7月1日(水)〜7月10日(金)まで
算定基礎届の電子申請とは、GビズIDとe-Govを利用して、これまで紙で年金事務所へ提出していた算定基礎届を、事業所のパソコンからオンラインで提出する方法です。
2020年4月から資本金1億円超の特定法人などで電子申請が義務化された背景もあり、中小企業や小規模事業所でも電子申請への移行が進んでいます。
算定基礎届の電子申請は、原則として毎年7月1日から7月10日までの提出期間に行います。ただし、GビズIDの取得、e-Govの環境設定、届書作成プログラムでのCSV作成準備は、提出期間前から進めておく必要があります。
この記事では、算定基礎届の電子申請はいつからできるのかをはじめ、GビズID・e-Govを使った提出方法と手続きのやり方、届書作成プログラムでのCSV作成方法、電子申請のメリット・デメリットまでを社労士がわかりやすく解説します。

生島社労士事務所代表
生島 亮
いくしま りょう
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YouTubeでも「社会保険の算定基礎届」について詳しく解説しています。テキストとセットで見るとより理解が深まるのでおすすめです。
算定基礎届の電子申請とは、これまで紙の用紙で年金事務所へ提出していた「被保険者報酬月額算定基礎届(定時決定)」を、GビズIDやe-Govなどを利用してオンラインで提出する手続きのことです。
算定基礎届は、毎年4月から6月に支払った報酬をもとに、健康保険料・厚生年金保険料の基準となる標準報酬月額を見直す届出です。従業員ごとの報酬確認や支払基礎日数の確認が必要になるため、事業所にとっては毎年発生する重要な労務手続きといえます。
電子申請を利用すれば、窓口への持参や郵送を行わずに、事業所のパソコンから手続きを進められます。そのため、提出作業の負担を減らし、業務効率化につなげることが可能です。
2020年4月から、資本金1億円超の法人など一部の特定法人では、社会保険手続きの電子申請が義務化されています。
中小企業や個人事業主は原則任意ですが、紙の届出用紙の送付縮小やターンアラウンドCDの廃止により、電子申請への移行が進んでいます。
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算定基礎届の電子申請はいつからできる?
算定基礎届の電子申請は、原則として毎年7月1日から7月10日までの提出期間内に行います。電子申請であっても提出期限は紙提出と同じで、7月10日が土曜・日曜にあたる場合は、翌営業日が期限になります。
ただし、申請に必要な準備は、提出期間前から進めることができます。たとえば、GビズIDプライムの取得、e-Gov電子申請アプリの設定、届書作成プログラムのインストール、4月・5月・6月分の報酬データ確認などは、事前に済ませておきたい作業です。
特に初めて電子申請を行う場合、7月に入ってから準備を始めると、IDの発行待ちや設定時のエラーなどで期限に間に合わない可能性があります。
5月中にGビズIDを取得し、6月中旬までにはe-Govへログインできる状態にしておくと、提出期間に入ってから慌てずに申請を進めやすくなります。
算定基礎届の電子申請の提出方法は?
算定基礎届の電子申請には、e-Govで直接入力する方法、届書作成プログラムでCSVデータを作成してe-Govから送信する方法、給与計算ソフト・労務管理ソフトから申請する方法があります。
一般的には、日本年金機構の「届書作成プログラム」で申請用データを作成し、e-Govから送信する方法が使われます。
無料で利用でき、CSVデータを一括作成できるため、従業員数が複数いる事業所でも対応しやすい方法です。 それぞれの提出方法の違いと選び方は、後述の「算定基礎届の電子申請の提出方法は3つ」で詳しく解説します。
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電子申請への完全移行は、会社にとって数多くの業務改善効果があります。ここではメリットと、事前に知っておくべきデメリット(注意点)を明確に解説します。
算定基礎届を電子申請する4つのメリット
まずは、電子申請によって得られる主なメリットです。
1.郵送・窓口対応がゼロになる
年金事務所へ行く時間や、用紙の印刷・切手代の手間が一切かかりません
2.入力ミスの自動検出
届書作成プログラムの「仕様チェック機能」により、入力・転記エラーを送信前に自動判定してくれます
3.進捗確認がリアルタイム
e-Govのマイページを通して、受付状況や審査結果をいつでも確認できます
4.ペーパーレス化
分厚い控えを紙で保管するスペースや、後から探す手間が不要になります
従業員が数名の小規模事業所であっても、用紙の記入・確認・郵送にかけていた手間と比べると、毎回30分〜1時間以上の業務短縮に繋がります。
電子申請のデメリット
非常に便利な電子申請ですが、「初回のみ事前準備に手間がかかる」という点だけは把握しておきましょう。
1.GビズIDの取得にタイムラグがある
書類郵送でIDを発行する場合、約1〜2週間かかります(不備があるとさらに延長され、期限に間に合わなくなる可能性があります)
2.届書作成プログラム(方法②)はWindows専用
日本年金機構の「届書作成プログラム」はWindows専用であり、Macには対応していません。ただし、e-Gov自体はmacOSにも対応しているため、方法①(e-Govでの直接入力)や方法③(クラウド給与ソフト)であればMacでも電子申請が可能です
3.初回の操作設定に戸惑う
e-Govアプリのインストールやブラウザ設定など、提出期限ギリギリになってからの初挑戦は失敗のリスクが高いです
とはいえ、これらは「最初の1年目(導入時)」だけの課題です。
一度環境を整えてしまえば、2年目以降は前回データを取り込むだけで終わるため、トータルの負担は圧倒的に少なくなります。
算定基礎届を電子申請する場合は、提出期間に入る前から準備を進めておくことが大切です。特に初めて電子申請を行う事業所では、IDの取得やアプリの設定に時間がかかることもあるため、早めに確認しておきましょう。
主な事前準備は、以下のとおりです。
- GビズIDプライムを取得する
- e-Gov電子申請アプリを設定する
- 届書作成プログラムを最新版にする
- オンライン事業所年金情報サービスから基礎データを取得する
- 4月・5月・6月分の賃金台帳と報酬データを確認する
- 被保険者情報、支払基礎日数、通勤手当などを確認する
算定基礎届の電子申請は、原則として7月1日から7月10日までの提出期間内に行います。ただし、GビズIDの取得やe-Govの環境設定、届書作成プログラムの確認、報酬データの整理などは、提出期間前から進めることが可能です。
初めて電子申請する場合は、5月中にGビズIDを取得し、6月中旬までにはe-Govへログインできる状態にしておくと安心です。GビズIDプライムは、オンライン申請であれば最短即日で発行できる場合がありますが、書類郵送申請では時間がかかることもあります。
申請内容に不備があると、発行までにさらに日数を要する可能性があります。期限直前に準備を始めると、電子申請の送信そのものに間に合わないおそれがあるため、余裕をもって準備を進めましょう。
最後の「書類郵送申請では原則2週間以内が目安です」は、入れてもよいですが、制度変更や公式サイト側の表記変更に影響されやすいです。記事では「時間がかかることもあります」と少し丸めたほうが、後から修正リスクが低いと思います。
GビズID(プライム)を取得する【発行まで最短即日〜2週間】
e-Govで電子申請を行うには、原則としてGビズIDプライムが必要です。法人の代表者が取得するアカウントで、行政サービス全般に利用できます。
なお、従業員に操作を任せたい場合は、プライムアカウントから「メンバーアカウント」を発行して権限を委任することも可能です。
- マイナンバーカード+スマホを使ったオンライン申請:最短即日で発行
- 書類郵送の場合:印鑑証明書+押印した申請書を郵送→約1〜2週間で発行。不備があるとさらに時間がかかります
申請先:GビズID公式サイト
「GビズIDを持っていないことに7月の提出直前になって気づく」パターンは実務で非常に多い失敗例です。遅くとも5月中には取得を完了しておきましょう。
e-Govの環境設定とPC要件を確認する
e-Gov電子申請で手続きを進めるためのアプリケーションのインストールとブラウザ設定が必要です。
- 対応OS:Windows 10以降、macOS(最新版を推奨)
- ブラウザ:最新版のChrome、Edge等
- スマホ・タブレット:電子申請はできません(PCが必須です)
- インストール先:e-Gov公式サイトから「e-Gov電子申請アプリケーション」をダウンロード
会社のPCで、セキュリティ設定によりアプリがブロックされるケースがあります。事前にIT担当者に確認しておくと安心です。
届書作成プログラムをインストールする(Windows専用)
日本年金機構の公式サイトから、CSVデータを作成するための最新版「届書作成プログラム」をダウンロード・インストールします。
毎年バージョンアップがあるため、旧バージョンのまま使うとエラーの引き金になります。 必ずその年の最新版を使用してください。
- ダウンロード先:日本年金機構 届書作成プログラム
- 対応OS:Windows専用(Macには非対応)
- Mac環境を利用中の場合:プログラムが使えないため、後述する【方法①:e-Govでの直接入力】や【方法③:クラウド給与計算ソフトの利用】、または仮想Windows環境(Parallels等)での対応をご検討ください。
【重要】ターンアラウンドCD廃止と基礎データのダウンロード
これまで毎年行われていた年金事務所からの「ターンアラウンドCD(データが入ったCD-ROM)」の送付は、2025年3月で完全に廃止されました。
そのため今後は、「オンライン事業所年金情報サービス」から自社の基礎データをダウンロードしてプログラムにインポートする方式に変わっています。
- 先ほど取得した「GビズID」を使って同サービスへログイン
- 「届書作成プログラム用ファイル」をダウンロード
- 届書作成プログラムへファイルを一括取り込み (※初めて利用する場合は、オンライン上で「利用届」の提出が必要です)
✅ 事前準備チェックリスト
算定基礎届の電子申請には、自社の規模や導入システムに合わせて以下の3つの提出方法があります。まずはどの方法を選ぶべきか、早見表で確認しましょう。
どの方法を選ぶべき?従業員数別おすすめ早見表
| 従業員数 | おすすめの方法 | 費用 | 操作難度 |
|---|---|---|---|
| 1〜3名 | 方法①(e-Gov直接入力)or 方法② | 無料 | 低〜中 |
| 4〜10名 | 方法②(届書作成プログラム+e-Gov) | 無料 | 中 |
| 11名以上 or 給与ソフト導入済み | 方法③(給与計算ソフトAPI連携) | ソフト月額料金 | 低 |
迷ったら方法②(届書作成プログラム+e-Gov)が鉄板です。無料で使えて、入力の自動チェック機能もあり、日本年金機構公式の正規ルートという安心感があります。
(※もし「どの方法を選んでも自社で設定や操作をする時間が惜しい」といった場合は、社労士によるスポット申請代行への完全委託も検討してみてください)
方法①|e-Govから直接入力する(従業員1〜3名向け)
e-Gov(イーガブ)の申請画面上で、従業員1人ずつのデータを手作業で直接入力して送信する方法です。
e-GovアプリのインストールとGビズIDの準備は必要ですが、届書作成プログラムなどの追加ソフトは不要で、比較的手軽に始められます。ただし、1件ずつしか入力できないため、従業員が5名を超えると入力ミスのリスクと手間が急増します。
主に入力する項目は、事業所情報、被保険者番号、氏名、生年月日、4〜6月の報酬額、支払基礎日数などです。
方法②|届書作成プログラム+e-Gov(おすすめ)
日本年金機構が無料で提供している「届書作成プログラム」でCSVファイルを作成し、e-Gov経由で送信する方法です。小規模事業主に最もおすすめの標準的なやり方です。
おすすめする理由は次のとおりです。
- 無料で利用できる
- 仕様チェック機能付きで、入力エラーや抜け漏れを事前に検出できる
- CSVで一括作成・取り込みができるため、人数が増えても効率的
- 「オンライン事業所年金情報サービス」から最新の基礎データを取り込めば、手入力の手間を大幅に削減できる
なお、システムから出力したCSVファイルの取り扱いにはいくつか注意点があります(詳しくは後述の「よくあるエラーと対処法」で解説します)。
方法③|給与計算ソフトからAPI連携で申請する
電子申請に対応したクラウド給与計算ソフト(freee人事労務、マネーフォワードクラウド給与など)から、直接電子申請を実行する方法です。
毎月の給与計算データから自動で算定基礎届のデータを作成し、そのまま送信フェーズまで完了します。すでにこれらの対応ソフトを導入済みであれば、最も効率的で簡単な方法です。
ただし月額料金がかかるため、算定基礎届のためだけに新規導入するかどうかは、他の業務(勤怠や給与計算自体)の効率化も踏まえたコスト感で判断しましょう。
ここでは、最もおすすめの方法②「届書作成プログラム+e-Gov」を使った電子申請の手順を解説します。 届書作成プログラムとは、日本年金機構が公式サイトで無料提供しているソフトのことです。算定基礎届だけでなく「月額変更届」や「被保険者資格取得届」など、様々な手続きの電子申請用データを作成できる便利なツールです。
全体の流れとしては、次の大きく2段階に分かれます。
①「プログラムで申請用データ(CSV)を作る」
②「e-Govで送信する」
ステップ1:プログラムを起動し、事業所情報を登録する
インストールした「届書作成プログラム」を起動し、事業所整理記号や所在地などの基本情報を登録します。
「オンライン事業所年金情報サービス」からダウンロードしたデータを一括取り込みすれば、基礎情報が自動でセットされるため、手入力のミスを防げます。
事業所整理記号の入力形式には特に注意してください。「郡市区符号+事業所記号」(例:01-イロハ)で入力します。自社の事業所整理記号は、年金事務所から届く「納入告知書」や前年の届出控え、またはダウンロードデータで確認できます。
ステップ2:作成する届書から「算定基礎届」を選択する
事業所情報の登録ができたら、作成する届書の一覧画面から「算定基礎届」を選択します。(※月額変更届など他の手続きと間違えないように注意してください)
ステップ3:被保険者情報と報酬月額を入力する
賃金台帳などの情報に基づき、被保険者一人ひとりの氏名、基礎年金番号、4月〜6月の各月の報酬月額、支払基礎日数などを画面の指示に従って入力します。
入力時の注意点は以下のとおりです。
◯通勤手当を含めるのを忘れない
報酬月額には通勤手当も含みます。一番見落としが多い項目です。
◯入力後の「仕様チェック」を必ず行う
入力が完了したら仕様チェックを実行し、エラーが出たらプログラム上で修正して「エラーなし」の状態にします。
初めての場合、このデータ入力段階だけで、従業員3名でも約1〜2時間が目安となります。
※具体的な「支払基礎日数」のカウント方法や、途中入社・休職・パートタイマー等がいる場合のイレギュラーな計算ルールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
算定基礎届の書き方を記入例付きで解説!作成手順・注意すべきケースもわかりやすく紹介
ステップ4:電子媒体届書作成(CSVファイル保存)を行う
全員の入力とエラーの解消が完了したら、メニューから「電子媒体届書作成」を選択し、「CSV形式」で保存します。これでe-Govにアップロードするための申請用ファイルが完成します。
| 【重要】CSVファイルは絶対にExcelで開かない 保存したファイルの中身を確認しようとしてExcelで開くと、日付や文字コードが壊れ、e-Govで読み込めなくなります。 |
ステップ5:e-Govにログインして手続きを検索する
e-GovにGビズIDでログインし、検索窓に**「算定基礎届」**と入力して手続きを探します。手続きの正式名称は「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届」です。
ステップ6:CSVファイルを添付して申請・送信する
申請フォームにさきほど作成したCSVファイルを添付し、提出先(管轄の年金事務所)を選択して送信します。GビズIDプライムでログインしている場合は、GビズIDが電子署名の代わりとなるため、別途電子証明書を用意する必要はありません。
以下の2点は特に注意してください。
◯提出先の年金事務所を間違えない
管轄外の年金事務所を選ぶと即座に返戻(差し戻し)されます。
◯CSVのファイル名を変更しない
プログラムが自動生成したファイル名(SHSA0006.CSVなど)のまま添付します。名前を変えるとシステムに認識されません。
ステップ7:申請状況を確認する(審査終了まで)
送信後、e-Govのマイページで申請のステータスを確認します。
「受付」→「処理中」→「審査終了」と進めば正常に完了です。「審査終了」になったら、決定通知書などの公文書をダウンロードして保管しておきましょう。
「返戻」(差し戻し)のステータスが表示された場合は、修正が必要です。 返戻理由を確認し、該当箇所を修正して再送信します。詳しくは後述の「よくあるエラーと対処法」で解説します。
送信して安心してしまい、返戻されたまま気づかず放置するケースが多く見られます。送信直後と翌日の2回、必ずステータスを確認する習慣をつけましょう。
審査が無事に完了し決定通知書が届いたら、次は「給与(ソフト)上の保険料の控除額を変更する」作業が待っています。
実際の社会保険料が変わるのは基本的に「9月分」からですが、会社が「翌月徴収」か「当月徴収」かによって、給与計算で反映させる月(9月給与か10月給与か)が変わります。
間違えると後で全従業員の差額精算トラブルに発展するため、以下の記事でご自身の会社の控除タイミングを必ず確認しておきましょう。
算定基礎届(定時決定)はいつから反映?社会保険料の変更時期と給与計算の注意点を社労士が解説
算定基礎届の電子申請は非常に便利ですが、初めて利用する場合や入力に不慣れな場合、思わぬトラブルが発生することがあります。電子申請を円滑に進め、期限内に確実に完了させるために以下の重要なポイントを確認しておきましょう。
GビズIDのパスワードロックと証明書について
現在は「GビズIDプライム」アカウントを取得すればそれが電子署名の代わりとなるため、別途有料の電子証明書を用意する必要はありません。
ただし、注意点としてGビズIDのログイン時にパスワードを複数回間違えるとセキュリティロックがかかります。解除手続きが非常に面倒であり、その間は申請ができなくなってしまうため、当てずっぽうでの入力は避け、パスワード管理を徹底してください。
CSV出力時や読み込み時のエラーを防ぐ
届書作成プログラムで作成したCSVデータは、以下の点に気をつけて出力・送信してください。エラー原因の大半はこれらに集中しています。
◯「指定可能な文字以外が指定されています」のエラー
氏名等に旧字体(機種依存文字)が含まれている場合は、常用漢字に置き換えて入力してください。
◯「姓名の区切り」エラー
姓名の間は必ず「全角スペース」にしてください。
◯CSVファイルはExcelで開かない
出力済みのCSVを誤ってExcelで保存すると日付や形式が壊れ、e-Govで読み込めなくなります。絶対にExcelで開かずそのまま添付してください。
提出先の選択ミスと「返戻」への対応
e-Govでよくあるミスが、管轄外の年金事務所を選択して送信し、即座に「返戻(差し戻し)」されるケースです。事業所が移転した場合などは管轄が変わっていることがあるため、最新の管轄年金事務所を確認して選択してください。
また、ステータスが「返戻」になった場合は却下ではなく、**「訂正して再提出してください」**という意味です。放置すると「未登録(未提出)」の扱いになるため、公文書欄で返戻理由を確認し、直ちにプログラム上で修正して再送信しましょう。
提出期限を過ぎてしまった場合のリスク
算定基礎届の提出期限は毎年7月10日です。期限を過ぎても電子申請のシステム上は送信可能ですが、大幅に遅延すると年金事務所からの督促や、最悪の場合は健康保険法等に基づく罰則(6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金等)が科されるリスクがあります。
さらに、社会保険料の改定(9月)に処理が間に合わず、後から数カ月分の社会保険料の差額を精算するなど、従業員の給与計算においても多大な迷惑がかかります。締め切り直前はe-Govが大変混み合うため、余裕を持って申請を済ませましょう。
算定基礎届の提出期限はいつまで?過ぎた場合の罰則や影響と対応策を解説
【エラーが解消せず期限が迫っている場合】
「年金事務所に何度電話しても繋がらない」「返戻の理由がどうしても解決しない」という場合は、無理に自社で抱え込まず、プロである社労士へスポットでの申請代行を相談するのが最も安全な選択肢です。
最後に、算定基礎届の電子申請に関するよくある疑問や、実務で迷いやすいポイントについて社労士が回答します。
ターンアラウンドCDが届かないのですが?
2025年3月末で完全に廃止されました。現在は「オンライン事業所年金情報サービス」から電子データをダウンロードする方式に変更されています。
7月に月額変更届を出す従業員も算定基礎届に含める?
含めません。7月の月額変更届が優先されるため、算定基礎届のデータからは除外して送信します。なお、月変届に該当するかどうかの判断自体が難しいケース(昇給月がずれている場合など)もあります。判断に迷う場合は年金事務所に確認しましょう。
年間報酬の平均(保険者算定)の特例は電子申請でも使える?
利用可能です。ただし、同意書や申立書などの必要書類をPDFなどの電子ファイルとして一緒に添付する必要があります。
Macを使っている場合はどうすればいい?
届書作成プログラムはMac非対応です。対処法は以下の3つです。
- e-Govから直接手入力する(方法①)
- クラウドの給与計算ソフトを利用する(方法③)
- Parallels等でWindows仮想環境を構築する
電子申請に添付書類(賃金台帳など)は必要?
原則不要です。電子申請ではそのまま送信して完了ですが、届出内容に不備がある場合は、後日年金事務所から提示を求められることがあります。
電子申請で送信した後に内容を修正できる?
送信済みの届出は修正できません。誤りに気づいた場合は、年金事務所に連絡して「取下げ」を依頼し、正しい内容で再申請します。返戻された場合は、修正して再送信が可能です。
健康保険組合に加入していてもe-Govで電子申請できる?
厚生年金分はe-Govで申請できます。ただし、健康保険組合分の届出方法は組合によって異なるため、加入している組合の案内を確認してください。協会けんぽ加入の場合は、e-Govで厚生年金と健康保険を一括して申請できます。
算定基礎届は、事業主が毎年必ず行わなければならない重要な手続きです。この記事では、従来の紙申請に代わる電子申請の手順や、メリット、およびエラーなどの注意点について詳しく解説してきました。
算定基礎届を電子申請に切り替えることで、窓口や郵送の手間が省け、転記ミスの防止など多くのメリットを得られます。ただし、初めて利用する場合は「GビズIDプライム」の取得や届書作成プログラムの設定など、余裕を持った事前準備が非常に重要です。
事前にスケジュールを把握し、エラーやトラブル時の対応方法も確認しておくことで、安心して電子申請を進められます。毎年発生する手続きだからこそ、ぜひ早めの導入と準備で算定基礎届の提出を効率的かつスムーズに行いましょう。
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算定基礎届の電子申請には、GビズIDの取得や届書作成プログラムの設定をはじめ、被保険者ごとの正確な報酬月額の計算や、CSVデータ送信時のエラー対応など、細かな実務知識と操作スキルが求められます。
申請の遅延や計算ミスは、社会保険料の決定が遅れて従業員の給与控除に影響を与えるだけでなく、エラーによる差し戻し(返戻)を繰り返して会社の貴重な時間を奪われるリスクにもつながります。一方で、年に一度しか発生しないこれらの面倒な手続きを、本業の合間にすべて自社で対応し続けるのは大きな負担です。
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