従業員を雇う際に必要な書類として「労働条件通知書」と「雇用契約書」があります。名前が似ているためよく混同されますが、法律上の位置づけや役割は大きく異なります。
「どちらを作ればいいのか」「両方必要なのか」「兼用できるのか」初めて従業員を採用する経営者や人事担当者にとって、判断に迷うポイントです。
結論からいえば、労働条件通知書は法律上の交付義務がある一方、雇用契約書には作成義務がありません。ただし、実務上は「労働条件通知書 兼 雇用契約書」として1枚にまとめるのが最も効率的かつ安全な方法です。
本記事では、両者の違いを比較表で整理した上で、兼用の具体的な方法、記載すべき事項、書類不備のリスクまで解説します。この記事を読めば、どの書類をどう準備すればよいかが明確になります。

生島社労士事務所代表
生島 亮
いくしま りょう
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労働条件通知書と雇用契約書の違いを一言でいえば、「会社からの一方的な条件通知か、双方の合意を証明する契約書か」という点です。
まずは比較表で全体像を把握しましょう。
| 比較項目 | 労働条件通知書 | 雇用契約書 |
|---|---|---|
| 目的 | 労働条件の明示(一方的な通知) | 合意の成立を証明 |
| 根拠法令 | 労基法15条 | 民法623条・労契法4条2項 |
| 作成義務 | あり(違反→30万円以下の罰金) | なし(ただし努力義務あり) |
| 書類の性質 | 会社からの一方的な通知 | 双方の合意を証明 |
| 署名・捺印 | 労働者側は法律上不要 | 双方が行うのが一般的(立証手段) |
| 交付対象 | すべての労働者 | 企業の運用判断 |
| 就業規則との関係 | 就業規則を下回る条件は無効(労契法12条) | 同左 |
たとえ労使双方が合意した雇用契約書であっても、記載された条件が就業規則を下回っている場合、その部分は無効となり、就業規則の基準が適用されます(労働契約法第12条)。契約書を作成する際は、必ず就業規則との整合性を確認してください。
なお、「雇用契約書」と「労働契約書」は実務上ほぼ同じ意味で使われます。
民法第623条は「雇用」、労働契約法第6条は「労働契約」という用語を使用しており、法律の文脈が異なるだけで内容は同じです。
「雇い入れ通知書」「雇用条件通知書」なども労働条件通知書の別称であり、文書の名称に関わらず、法定の記載事項を満たしていれば法的効力に影響はありません。
「それなら両方作らないといけないのか」と思うかもしれませんが、実は1枚で両方の役割を果たす「兼用」という方法があります。後ほど、「雇用契約書と労働条件通知書は兼用できる?」の項目で詳しく解説します。
以下、それぞれの書類について詳しく解説します。
労働条件通知書とは?法律で交付が義務づけられた「通知」の書類
労働条件通知書とは、会社が従業員を雇い入れる際に、賃金や労働時間などの労働条件を書面で明示するために交付する書類です。交付は法律上の義務であり、違反すると30万円以下の罰金が科される可能性があります。
労働基準法第15条により、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。
この明示義務は、正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など、雇用形態を問わずすべての労働者に適用されます。
会社が一方的に作成・交付する「通知」であるため、労働者の署名・捺印は法律上は必要ありません。ただし、実務上は受領確認として署名を求めるケースが多く、「交付した」という証拠を残す上で有効な方法です。
雇用契約書とは?労使の合意を証明する「契約」の書類
雇用契約書とは、会社と労働者が労働条件について双方で合意したことを証明する書類です。作成は法律上の義務ではありませんが、実務上はトラブル防止のために事実上「必須」の書類です。
雇用契約は口頭の合意だけでも法律上は成立します(民法第623条)。つまり、雇用契約書の作成は法律で義務付けられていません。
しかし、労働契約法第4条第2項は「労働者及び使用者は、労働契約の内容について、できる限り書面により確認するものとする」と努力義務を定めており、書面化が強く推奨されています。
口頭だけの契約では「言った・言わない」のトラブルが起きやすく、給与額や残業代で争いになった場合に会社側が不利になるリスクがあります。雇用契約書は、2部作成して会社と従業員がそれぞれ保管するのが一般的です。
署名・捺印は「契約の成立要件」ではなく「合意の立証手段」です。署名がなくても契約は成立しますが、書面に署名があることで紛争時の証拠力が飛躍的に高まります。
結論からいえば、労働条件通知書と雇用契約書は1枚の書類に兼用できます。多くの中小企業にとって、最も効率的かつ安全な運用方法です。
ここでは、そもそもなぜ雇用契約書が必要なのか、兼用の具体的な方法、そして注意点について順に解説します。
義務ではないが雇用契約書も用意すべき理由
雇用契約書の作成は法律上の義務ではありません。しかし、労働条件通知書だけでは「条件を通知した」証拠にはなっても、「従業員がその条件に同意した」という証拠にはなりません。
実務では、この「合意の証拠がない」ことが大きなリスクになります。
たとえば、固定残業代(みなし残業代)の金額と時間数を雇用契約書に明記していなかった場合、裁判で固定残業代の合意が否認され、過去3年分の未払い残業代を全額支払う判決が下されることがあります。
実際に、最高裁で固定残業代が無効とされ、多額の未払い残業代の支払いが命じられた有名な判例(テックジャパン事件)も存在します。
参考:損害賠償・残業代支払請求、仮執行による原状回復請求申立て事件 | 全国労働基準関係団体連合会
また、採用時に業務内容を特定職種に限定していたと判断された従業員に対する、会社側の一方的な配置転換命令を無効とした最新の最高裁判決(令和6年4月26日判決:滋賀県社会福祉協議会事件)も出ています。
参考:重要判例解説「滋賀県社会福祉協議会事件」最高裁判決 | 企業経営をサポートする
こうしたリスクを考えると、雇用契約書は事実上「必須」の書類と捉えるべきです。
「労働条件通知書 兼 雇用契約書」にまとめる方法とメリット
「それなら労働条件通知書も雇用契約書も、両方作らなければならないのか」と思うかもしれません。しかし、実は1枚で両方の役割を果たす方法があります。
労働条件通知書に署名・捺印欄と合意文言を追加し、「労働条件通知書 兼 雇用契約書」 として作成する方法です。
労基法15条は「法定の明示事項が書面等で労働者に伝達されること」を要求しているだけで、文書のタイトルや様式を限定していません。そのため、法定の明示事項を網羅し、末尾に「上記労働条件に合意し、雇用契約を締結します」などの確認文言と署名欄を設ければ、「条件の通知」と「合意の証明」を1枚で同時に達成できます。
兼用のメリットは以下のとおりです。
- 書類作成の工数削減: 1枚で完了する
- 保管管理の効率化: 1種類の書類だけを管理すればよい
- 記載内容の矛盾リスクの排除: 通知書と契約書で金額が違うなどのミスを防げる
- 法的義務と合意取得の同時達成: 条件の通知と署名による合意確認を1枚でカバーできる
兼用する場合の注意点と署名拒否時の対応
兼用書類を作成する際は、以下の点に注意が必要です。
- 絶対的明示事項の記載漏れ に気をつける(特に2024年改正の「就業場所・業務の変更の範囲」を忘れがち)
- パート・有期雇用の場合 は追加明示事項を忘れず記載する
- 記載量が膨大になる場合は、通知書と契約書を分けた方が管理しやすいケースもある
また、労働者が署名を拒否した場合の対応フローも事前に構築しておきましょう。
署名を拒否されても、会社は「労働条件の明示義務」を果たす必要があります。書面を手交した事実を記録として残し(受領印、交付日の記録など)、「労働条件通知書」としての効力だけでも担保することが重要です。
法定の記載事項は労働条件通知書について定められたものですが、雇用契約書でも実務上は同じ項目を記載するのが一般的です。
ここでは、記載すべき事項を体系的に整理します。
絶対的明示事項(必ず明示が必要な項目)と「昇給」の注意点
労基法施行規則第5条で定められた「絶対的明示事項」は、すべての労働者に対して必ず明示しなければなりません。
書面(または電子)による交付が必要な事項
- 労働契約の期間
- 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
- 就業の場所・従事すべき業務の内容
- 始業・終業の時刻
- 所定労働時間を超える労働の有無
- 休憩時間
- 休日・休暇
- 交替制の場合の就業時転換に関する事項
- 賃金の決定・計算方法・締切日・支払時期
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
ここで重要な注意点があります。「昇給に関する事項」は絶対的明示事項に含まれますが、施行規則の規定により書面交付の対象から例外的に除外されています。つまり、口頭での明示でも法律上は適法です。
ただし実務上は書面記載を強くおすすめします。厚労省のモデル様式にも昇給欄は設けられており、口頭のみだとトラブルの原因になりやすいためです。
実際に従業員に残業させる場合は、別途36協定の締結・届出が必要になります。
社会保険料は4から6月の給与で決まる!仕組みと注意点を社労士が解説
また、休日の業務連絡等について「つながらない権利」への配慮も近年重要になっています)
つながらない権利はそろそろ法制化される?労基法改正の動向と侵害事例・実務対応を解説
相対的明示事項(制度がある場合に明示が必要な項目)
自社に該当する制度がある場合に明示が必要な事項です。すべての企業に共通する事項ではないため「相対的」とされますが、制度がある以上は明示しなければトラブルの原因になります。
- 退職手当の定め(適用範囲、算定・支払方法と時期)
- 臨時に支払われる賃金・賞与・各種手当・最低賃金額に関する事項
- 労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
- 安全及び衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰及び制裁に関する事項
- 休職に関する事項
制度が存在するのに明示・周知を怠ると、会社が従業員に対してそれらの規定を有効に適用できなくなるリスクがあります。たとえば懲戒処分の根拠となる事項を明示していなければ、処分自体が無効とされる可能性もあります。
パート・アルバイト・有期雇用で追加される明示事項
短時間労働者・有期雇用労働者を雇い入れる場合は、通常の絶対的明示事項に加えて、パートタイム・有期雇用労働法で定められた4項目の追加明示が義務です。
- 昇給の有無(正社員では口頭可だが、パート・有期では書面明示が義務)
- 退職手当の有無
- 賞与の有無
- 短時間・有期雇用労働者の雇用管理改善に関する相談窓口
雇い入れ時だけでなく、契約更新のたびにもこの4項目の明示が必要になることがあります。兼用書類を使う場合は、更新時の再交付フローもセットで運用しましょう。
【2024年4月改正】追加された4つの明示事項と理由説明義務
2024年4月の労基法施行規則改正により、新たに4つの項目が明示事項に追加されました。
① 就業場所・業務の変更の範囲(すべての労働者が対象) 雇入れ直後の就業場所・業務だけでなく、将来の配置転換等で変更されうる範囲も明示します。
② 有期労働契約の更新上限の有無とその内容(有期雇用労働者が対象)
③ 無期転換申込機会(有期雇用で通算5年超の場合)
④ 無期転換後の労働条件(同上)
さらに、有期契約労働者に対して新たに更新上限を設ける場合や従来の上限を短縮する場合は、変更前に理由を個別に説明する義務(理由説明義務)があります。
2024年改正前のテンプレートを使い続けると法令違反となる可能性があるため、必ず最新版に更新してください。
兼用する場合・別々に作る場合の書き分けポイント
多くの中小企業には兼用書類が効率的ですが、企業規模や雇用形態によっては別々に作成した方がよい場合もあります。
兼用が向いているケース
- 従業員数が少なく、書類管理の工数を最小化したい場合
- 雇用形態が正社員中心でシンプルな場合
別々に作成が向いているケース
- 正社員・パート・契約社員など複数の雇用形態がある場合
- 雇用契約書に秘密保持義務や競業避止義務など通知書に含めない条項を追加したい場合
別々に作成する場合は、両者の記載内容(特に賃金・労働時間)に矛盾がないよう、作成時に必ず照らし合わせて確認してください。
労働条件通知書の交付タイミング|いつ渡すのが正解?
労働条件通知書は「労働契約の締結に際し」交付が義務です。実務上は、内定通知時〜入社日(遅くとも初出勤日) までに交付するのが推奨されます。
おすすめの流れは、内定通知の段階で労働条件通知書(兼 雇用契約書)を送付し、入社日に署名済みの書類を回収する方法です。
入社後に交付すると、「事前に条件を確認できなかった」と主張されるリスクがあります。初出勤日を過ぎての交付は労基法違反リスクが高いため、注意してください。
有期雇用の契約更新時は、更新のたびに新たな労働条件通知書の交付が必要です。特に2024年改正の追加明示事項を忘れないよう留意しましょう。
労働条件通知書の交付を含む雇用手続きの全体像については、下記の記事で詳しく解説しています。
従業員の雇用手続きと必要書類を解説!加入が必要になる保険は?
労働条件通知書は、一定の条件を満たせば紙の書面ではなく、メールやPDFなどの電子方法で交付することも認められています。ただし、会社が勝手に電子化できるわけではなく、守るべきルールがあります。
電子交付が認められる条件
2019年4月の労基法施行規則改正により、以下の2つの条件を満たせばFAX・メール・SNS等による電子交付が可能になりました。
- 労働者本人がメールやPDFなどの電子的な方法での交付を希望していること(会社が一方的に電子化するのは不可)
- 出力(印刷)して書面を作成できる形式であること(PDF添付が最も確実)
労働者の希望がない状態で紙以外の方法で交付した場合、労基法違反(30万円以下の罰金)となります。
電子化する際の注意点(SMS・SNSの取り扱い)
電子交付を行う場合は、労働者の「希望の証跡」を残すことが必須です。入社時の同意書やシステム上のチェック記録を残しておきましょう。
SMSの取り扱い: 法令上は禁止されていませんが、ファイル添付機能がなく文字数制限もあるため、厚労省は「望ましくない」との見解を示しています。使用を避けるのが安全です。
SNS(LINEなど)の取り扱い: 一律禁止ではありませんが、メッセージ機能にPDFファイルを添付して送信する方法であれば適法と判断される余地があります。ただし、アカウント変更・消失リスクを考慮すると、電子メールや専用クラウドシステムの方が安全です。社内でもPDFのコピーを保存しておきましょう。
労働条件通知書や雇用契約書の不備・未交付は、罰金だけでなく、従業員からの即時契約解除や労使トラブルにもつながります。ここでは、具体的なリスクを確認しておきましょう。
労基法違反の罰則と即時解除権
労働条件通知書の交付義務に違反した場合、労働基準法第120条に基づき30万円以下の罰金が科される可能性があります。
実務上の流れとしては、従業員の申告や定期監督で発覚 → 労基署の調査 → 是正勧告 → 改善されなければ罰金、という段階を踏みます。いきなり罰金が科されるケースは少ないですが、悪質なケースでは送検・刑事罰の事例もあります。
さらに重要なのが即時解除権(労基法15条2項)です。明示された労働条件が事実と異なっていた場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。たとえば「残業なし」と通知書に記載されていたのに恒常的な残業がある場合、労働者は即日辞めることが可能です。
これは罰金だけでなく、人材の突然の離脱リスクという経営上の大きな問題にもつながります。
雇用契約書がない場合のトラブルリスク
雇用契約書がなくても違法ではありませんが、労使トラブル時に会社側が圧倒的に不利になります。
特に深刻なのが固定残業代の否認リスクです。「毎月の手当に40時間分の固定残業代が含まれている」と口頭で説明していても、基本給と固定残業代を明確に区分した書面がなければ、裁判でその主張はほぼ認められません。過去3年分の未払い残業代に加え、遅延損害金の支払いを命じられるケースもあります。
その他にも、解雇時の「不当解雇」訴訟、業務内容・勤務場所の変更に対する「契約違反」主張など、合意の証拠がないために会社側が敗訴するリスクは数多くあります。
労働条件通知書・雇用契約書は原則5年間の保存が義務づけられています(2020年改正、労基法109条)。ただし、経過措置として当分の間は3年間とされています(終了時期は2026年現在も未定)。
実務上は、経過措置に甘んじず、現時点から5年保存を前提とした管理体制に移行することをおすすめします。退職後3年ギリギリで労働審判を起こされた場合、文書を廃棄していると反証手段を失います。
保存期間の起算日は書類の種類によって異なる点にも注意が必要です。
| 書類の種類 | 起算日 |
|---|---|
| 労働条件通知書・雇用契約書 | 労働者の退職(死亡・解雇含む)の日 |
| 賃金台帳 | 最後の記入をした日 |
| 出勤簿・タイムカード | その記録期間が完結した日 |
なお、賃金台帳が所得税法の「源泉徴収簿」を兼ねている場合は、税法に基づき7年間の保存義務が生じます。労基法の「当面3年」だけを見て廃棄すると、税務調査で法令違反を問われるリスクがあるため注意してください。
テンプレートは厚生労働省が公開しているモデル様式(Word形式) が最も信頼性の高い選択肢です。一般労働者用、短時間労働者・有期雇用労働者用、派遣労働者用など雇用形態別に用意されています。
必ず2024年4月改正対応済みの最新版(令和6年4月〜版) を使用してください。古い様式をそのまま使うと、「就業場所・業務の変更の範囲」などの追加明示事項が漏れてしまいます。
カスタマイズの5つのポイント:
- 自社に存在しない制度の項目は削除または「なし」と明記 — 退職金制度がないのに空欄で渡すと「将来支給されるのでは」と誤解を招くリスクがある
- 自社独自の手当名称への置き換え — 例:「皆勤手当」→「精勤手当」
- 就業規則との整合性の確認 — 記載条件が就業規則を下回っていないか
- 兼用にする場合は合意文言・署名欄の追加 — 「上記労働条件に合意し…」の一文+署名捺印欄
- 雇用形態別のバリエーション作成 — 正社員用・パート用・契約社員用の3種類が必要なケースが多い
テンプレートの各種様式(Word・PDF)は、以下の厚生労働省(東京労働局)の公式サイトからダウンロード可能です。「労働基準法関係」の項目のうち、「各種労働条件通知書」を入手してください。
参考)主要様式ダウンロードコーナー|厚生労働省(東京労働局)
労働条件通知書や雇用契約書について、経営者や人事担当者からよく寄せられる質問をまとめました。
労働条件通知書だけで雇用契約書はなくても大丈夫?
法律上は違法ではありません。しかし、実務上は非常にリスクが高い運用です。
労働条件通知書はあくまで「条件の通知」であり「合意の証明」ではないため、条件の食い違いが生じた場合に会社側が反証できません。兼用書類を使い、署名をもらうのがベストです。
口頭での説明だけで書面は不要?
不可です。労働条件通知書の書面交付(または電子交付)は労基法上の義務であり、口頭のみでは法令違反になります。違反した場合は30万円以下の罰金が科される可能性があります。
パート・アルバイトにも交付は必要?
はい、必要です。むしろパート・アルバイトには通常の明示事項に加えて、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4項目の追加書面明示が義務です。
パート・アルバイトこそ、条件の認識違いが起きやすいため、兼用書類に署名をもらう運用が特に重要です。
内容を変更したいときはどうすればいい?
労働条件の変更には原則として労働者の個別同意が必要です(労働契約法第8条)。一方的な不利益変更は原則無効です(労契法9条)。
変更後の条件を反映した新しい書面を作成し、変更内容を説明した上で改めて署名をもらってください。変更前の旧書類も、保存期間中は廃棄しないようにしましょう。
従業員から「労働条件通知書をもらっていない」と言われたら?
まず事実確認を行い、交付記録がなければ速やかに再交付してください。
再発防止策として、①交付時に受領署名を必ず取得するフローを構築する、②兼用書類にして署名を必須化すれば交付漏れが構造的に防げる、③入社手続きチェックリストに「通知書交付・署名回収」を組み込む、といった対応が有効です。
労働条件通知書は「法律で交付が義務づけられた条件の通知」、雇用契約書は「労使の合意を証明する書類」です。
両者の違いを正しく理解した上で、「労働条件通知書 兼 雇用契約書」として1枚にまとめれば、法的義務の履行と合意の取得を同時に達成できます。
本記事の要点を振り返ります。
- 労働条件通知書は交付義務あり、雇用契約書は任意だが実務上は必須
- 兼用書類なら1枚で法的義務と合意取得を同時に達成できる
- 2024年4月改正で追加された明示事項に対応済みのテンプレートを使う
- 書類不備は30万円以下の罰金+即時解除権のリスクがある
- 保存期間は実質5年を前提に管理する
書類の作成や法改正への対応に不安がある場合は、専門家である社労士に相談するのが確実です。
入社手続き全体の流れを確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
会社側の入社手続きマニュアル!必要書類から期限までチェックリスト付きで解説
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労働条件通知書や雇用契約書の作成は、法改正への対応や記載漏れの確認など、専門的な知識が求められます。特に2024年4月改正で追加された明示事項への対応漏れは、法令違反や労使トラブルに直結するリスクがあります。
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